Noels Tagebuch

日々のつぶやきと読書記録、たまに旅行記

トップの思惑

曇り。終日仕事。

 

上司がプライベートな領域にまで踏み込んでくるのは非常に不愉快である。

 

仕事は仕事、私生活は私生活だ。

 

上司とは、仕事の契約上たまたま命令できるポジションについている赤の他人であって、別に雇用主でもなければ、隷属しているわけでもなんでもない。

 

普段、どこに暮らそうが、何を食べようが、休日にどこで過ごそうが、誰と付き合うが、どんな趣味があろうが、あれこれ介入される筋合いはない。

 

何もかもを明らかに自分の趣味趣向に合わせた思い通りの形になるまで強要し続けるのは、独裁者の所業である。

 

家族的なアットホームな感じと恐ろしく隅々まで管理支配された体制とは、まさに紙一重なのだと実感を持って感じているところだ。

 

この時代にあって未だに古きよき終始雇用や「勤め上げる」観念や滅私奉公の理念などが染み付いている世界に入るが、そんないかにも日本的な価値観には個人的には一切共感できない。

 

 

仕事のことを書き始めるとろくなことにならないな・・・

 

 

今日も「ヒトラーの科学者たち」を読んでいる。

 

最初の数章は第一次世界大戦前後のドイツが物理化学分野で隆盛を極めた時代の話とフリッツ・ハーバーの生涯の話がメインだった。まさか実際に従軍する学者までいたとは恐ろしいことだ。

 

時代が進んで今度はナチス台頭の時代に突入。

 

まさか、メンデルの遺伝の話や進化論がナチスの理論形成に関わっていたとは知らなかった。ラマルクの用不用説が革命思想とくっついてソビエトで農業に実践されて大失敗した話もちょこっと出てくるが、これも興味深い。

 

相変わらず、アインシュタインを筆頭にノーベル賞を受賞した学者がどんどん登場するのを見ていると、当時のドイツがいかに凄かったのかを感じる。

 

ただ、その中でも非常に活躍していたユダヤ系の人々が次々と理不尽な扱いを受け、アメリカやイギリスに亡命し、様々な技術革新に貢献する一方で、ドイツの国力がどんどん落ちていく様は非常に対照的だ。

 

冷静に考えれば、国益にかなわないことぐらい簡単にわかりそうなものだけど、そう思考が働かないような魔力がイデオロギーにはあるのだろう。