Noels Tagebuch

日々のつぶやきと読書記録、たまに旅行記

引き際

晴れ。終日仕事。

 

まさかの高橋由伸監督就任と続いて井端選手引退のニュース。

 

井端選手は2000本安打も見えていたし、100%戦力として重宝されながらの引退という・・・・

 

もっとも、40代を過ぎても長く現役を続けて活躍する選手や、本当にボロボロになっても現役にこだわり続ける選手、記録達成に執念を燃やす選手などがたくさん出てくるようになったのは比較的最近になってからの風潮である気がする。

 

少し前、40代で活躍していた落合選手や大野投手や佐藤義則投手などの選手たちを見ていると普通とは違う領域にいるある種の伝説的な選手たちの印象を抱いたものだ。横浜の駒田選手なんて32歳で最年長扱いされ、40歳になるかならないかで大ベテラン扱いだったし。

 

なんというか、30代半ばを過ぎてベストパフォーマンスができなくなったら、スパッと引退するみたいなある種の美学を持った人も一定数いて、それを許容する文化もあったような気がする。

 

2000本安打を達成して名球会に入ることだけが有意義だとは思わない。選手である以上、しかもそれが名選手であればあるほど引き際はものすごく重要であると思うし、タイミングを間違えるとろくなことにならない。

 

高橋選手の決断には驚いたが素晴らしいと思った。

 

自分が育てられ、活躍し、貢献してきた球団と恩師たちに、監督にふさわしいのは君しかいないと声をかけられて意気に感じない男がどこにいるのだろうか。

 

現役に未練はあったとしても、そろそろ引き際を考えなければいけない時期に、最高の舞台がお膳立てされている状況。

 

選手としてのキャリアより、これから何十年の続く第二の人生を考えれば、今回の監督就任受諾がマイナスになることは絶対にないだろう。球団幹部の覚えも良く、おまけに慶応義塾大学卒である。たとえ、監督で失敗しても、フロントの大幹部としての道が開ける可能性だってある。

 

兼任の可能性を自ら否定することで、フロントが骨を折らねばならない無用な配慮や発生したかもしれない無用な批判を招く可能性すら排除し、むしろ潔さが強調されることでイメージアップすらし、「悲運の就任」というエピソードを作ることで世間をすでに味方にしてしまった。

 

人格者なだけではなくて、相当に頭のいい人なのだろうと想像する。

 

なんか自分の中でイメージが変わった。

 

ヤクルト入団確実で、桐蔭時代同様に副島とクリーンアップを打って、ポスト野村監督時代を支えるスターと期待していたのに、なぜか巨人を逆指名した時というあの日に受けたショックはファンとして忘れられるものではないけど。

 

井端選手の引退もある意味で衝撃的ではあった。

 

ただ、中日の終盤あたりから衰えは顕著だったし、巨人に移籍してほとんど主力扱いで遇されていても、やはり引き際をどうするのか考え始める状況だったのだろう。

 

今年は大活躍したし、来年には2000本安打を達成するだろうとファン目線では勝手に思ったとしても、現実には当人にしかわかりえない体力的、精神的な問題もあるわけで。

 

中日で間違いなく幹部候補生と言われつつ、今のとても戻りづらい状況で次のポジションがある可能性があり、しかも「盟友の引退」という状況にあって、最高のタイミングと判断したのだろう。

 

どちらの選手にしても、名球会の肩書きなしでも十分にやっていく方々であろうし。

 

 

それにしても、大事な日本シリーズの直前にこう色々と掲げられるのは、ヤクルトファンとしては非常に不本意ではある。